森の家具工房 in山梨で“絵本”タグの付いているブログ記事

2009年10月 9日

フランスの絵本

 先週、秋葉原で終日最先端IT技術に関するセミナーの受講をし、迫る帰路高速バス出発時刻を気にしながら新宿の書店ブックファーストにより、息子と約束をしていた絵本をお土産に買い求めまし た。 息子にはみずくさむらとみずべむら―やなぎむらのおはなし(こどものとも絵本) をお土産に。
(彼はこの"やなぎむらのおはなしシリーズ "がとってもお気に入りなのです。)

 この時、店頭の平積みされた絵本コーナーで「フランスで子供から大人まで読みつがれている絵本を岸惠子さんが初めて翻訳!」の帯が目に入りました。
 絵のタッチも一目で、私のお気に入りのジャン・ジャック・サンペにも通じる描写。
 フランス文化のある分野には昔からずっと私の感性をくすぐる世界があり、まさにその嗅覚が働いた感じです。臨時収入もあったので自分へと衝動買い。 

パリのおばあさんの物語
(岸惠子:訳 スージー・モルベンステルヌ:著者 セルジュ・ブロック:イラスト 千倉書房 2008年10月1日初版2009年4月10日第6刷発行)
原題"UNE VIEILLE HISTOIRE" texte pas Suie MORGENSTERN et illustre par Serge BLOCH


 翻訳はしない原則を守っていた訳者の女優 岸惠子さんが日本人にわかりやすいようにと書き直しをしながら取り組んだ初めての翻訳絵本です。
 生まれて、生きて、死ぬ。これは人間だれもが持つ平等なさだめです。けれど何処にどう生まれるかを、人は選ぶことはできません。この物語のおばあさんの一家はユダヤの人たちです。
  .............中略....
 人間が持つもう一つの平等なさだめは、年老いていくことです。老いをどういきるかという大事なテーマのなかで人はその人となりを完成していくのだと思います。..........中略....... 
 たくさんの人に読んで欲しい。「この広い世界には、いろいろな人が生き、日本にいては考えられない暮し方をしているのよ」と、しみじみ知って欲しいと思うのです。(訳者あとがきより抜粋)

わずか37ページの絵本です。
秋の夜長にふと老いる両親や加齢を感じる我が身のことを思いながら、また世界に住む遠い異国の方達のことにも思いを馳せながらページをめくります。
ちょうど一年前の10月に初版された絵本で、その後も重版されている絵本です。
 

2008年11月29日

絵本紹介『あいうえおの き』

久しぶりに絵本紹介です。
『あいうえおの き』ーちからを あわせた もじたちの はなしー
(レオ=レニ 訳:谷川俊太郎 出版:好学社 第8刷1987年12月4日)
あいうえお のき
 タイトルで絵本の内容が想像していたら...。
きっと簡単にその期待を素敵な意味で!裏切られる絵本です。

 これは図書館の絵本専用書架の片隅で出会った絵本です。
あらすじは
文字たちがお気に入りの葉から葉へととびうつりながら、木々いっぱいにひなたぼっこをしている樹。
それがあいうえお の木。
ある日そよ風が嵐に変わり、いくつかの文字が吹き飛ばされたことがきっかけで
残った文字達は臆病になってしまい、かつてのように葉っぱの上で過ごすことをしなくなります。
 文字達が寄り添っている姿を見て、ある虫たちが単語を作ること、文章を作ることを教えてくれます。
 ここには文字と文字がつながって、言葉になって強さを得ていく姿が描かれています。
 地球平和を願い戦争はたくさんという言葉となって政治家の元へ出かけていきます。

未だに戦争とは無縁ではいられない時代。
"一人ひとりの力は小さくても、力を合わせれば勇気を持って行動することができる"
平明な表現で協調することの良い面を子ども達や大人に諭してくれる絵本です。
葉のスタンプが印象深いやさしい色調の絵です。

2008年9月20日

絵本紹介『あの森へ』

 台風の影響はいかがでしょうか?
被害に合われた地域の方々、心よりお見舞い申し上げます。
当地は午前10時現在、徐々に雲間より青空が見えはじめています。
ミンミン蝉ツクツクホウシも鳴きだしました。賑やかです。
 
 工房では新作木皿が完成し、ベビーサークルの在庫補充製作と併行して、木を活かす職人はお客様のオーダー製作案件のことでデザインと図面起こしの作業に没頭しています。

 新作木皿は、天候が回復し自然光の下で商品撮影をいたしますので、HP掲載はもう少し先となります。楽しみにお待ちくださいませ。

今日は"少しずつ心の中に貯めてきた勇気を出して、一歩踏み出す"ねずみさんが主人公の絵本を紹介します。
あの森へ
『あの森へ』
(クレア・A・ニヴォラ:作 柳田邦男:訳 評論社2004年6月15日初版)
原題「THE FOREST by Claire A.Nivola アメリカ」

訳者から
「子どもは、とてもできないと思っていたことや怖いと思っていたことに、勇気をふりしぼって挑戦し、ハードルを越えられたとき、自信と自立への大きな一歩を踏み出すものだ。中略。
子どもに対し過保護になっている現代の親たちと社会に、子どもが育つとはどういうことか、その大事なことに気づかせてくれるだろう」


あらすじ:ネズミが住民のある町に住む子どもネズミが遠くの森に出かける決心をして、森に入っていきます。
つまずいて転んでしまい最初は目を閉ざしていましたが、やがて森の中のしずかな空間に徐々に慣れていき心地よく過ごします。
 ヨーロッパの街並みのような場所に住むネズミ。ネズミを擬人化しています。

 森のしずかな空間に身も心も放り出して、委ねる。
追記: 
心にある"恐怖"、"立ちはだかる壁"的なものに対して、近づいてみると意外にも正反対の予期できなかった心安らぐものだったり、目的に対する達成感からくる安堵だったり、とっても自縛していた心が解放される。
 子供の頃って、そういうことを繰り返して成長していった気がします。
いつだって誰でもチャレンジャーになれるし、敗北感ではない自己への達成感。
  そんなことを振り返りながら、我が子の成長を見守っていけたらと読後感じました。

 木々だけでなく、芝生に寝転んで秋空を仰ぐのも気持ちが良いかと思います。
"天高く馬肥ゆる秋"
皆様、よい週末となりますように。

無垢材を使った手作りオーダー家具工房
活木工舎 

2008年8月 4日

絵本紹介『山に木を植えました』

 久々の絵本紹介のコーナーです。
 
 市立すたま森の図書館の新刊図書コーナーで出会い、すっかり気に入ってしまった本です。
山に木があり、森があることの意義。
森について描かれている絵本は、過去にご紹介してきていますが、今回ご紹介する絵本のポイントは
"川や海の生きもの達に関係していること"について触れている点です。
 
『山に木を植えました』(作:スギヤマカナヨ 監修:畠山重篤 出版:講談社 初版:2008年5月28日)
絵本とキッズチェアとメイちゃん
 森林破壊や荒廃は進むことは、地球環境のいろんな曲面に関係してくることでもあると、子ども達にわかりやすく表現し、興味深くページが進む絵本です。
 山に木を植えること、その活動を理解し、可能であれば参加したくなる動機付けになる絵本に思えます。
 リアルといえばリアル系かもしれませんが、特徴を捉えながら、図鑑的なボタニカルではない可愛らしいタッチのイラストなので、幼児でも受けれることができます。
 山に木を植えること、木の成長、木と動物・昆虫との関係、腐葉土のこと。
特に腐葉土からできるフルボ酸鉄が、川や海にまで流れていくこと。
そして、フルボ酸鉄が海の森を作り、そこには食物連鎖があること。
また、海の生き物は私達人間の食べ物になること。
この壮大なテーマを、20ページ強の楽しい絵と解説と共に読み進めることができます。
 
 我が家の息子は、特に、この絵本の中では、"森の地面にしみこんだ水が小川になり、川になるくだりのページ"は、幼いなりに興味を持って眺めています。ちょうどそこに登場する"オオサンショウウオ"がお気に入り。
HPの東京ズーネットのうごくどうぶつ図鑑と併行して眺めています。ちょうど先日、森のようちえんで沢遊びをしてきたばかり。
 彼の記憶で「オオサンショウウオは見なかったけど、沢カニとカエルがいたんだよぉ!」と嬉しそうに話してくれます。 
自然体験と共に自然科学系の絵本を読むと、ちょうど彼の興味を深く掘り下げてあげることが出来、より自然界への関わりや理解が進むのかもしれないです。
絵本って「何歳だからこの本」ってことはないのだと常々感じるところです。

(ちなみに、ブログに紹介したい絵本として借りてきたのですが、我が家の2歳児が読みたがってくれたのは副産物です。絵本は無理強いしないのが私流。育児は本当いつだって手探り状態。でも唯一絵本好きになる動機付けだけは成功かな。)


 

 

2008年7月26日

絵本紹介『ちいさい いすの はなし』

さてさて、今日は久しぶりに絵本紹介です。

ご紹介するのは昨年購入して大事に本棚にしまっておいた絵本『ちいさい いすの はなし』(文・竹下文子 絵・鈴木まもる 出版ハッピーオウル社 2006年12月初版)です。
 「ぼくは、いすです。・・・・」から始まり、「ぼくは、いすです。・・・・」で終わる絵本です。
冒頭にもちろん!家具職人のおじいさんが登場します。
 
キッズチェア(試作版) 生まれたばかりのぼうやのところに親戚の方から贈り物としてやってきたちいさないす。
赤ちゃんの成長を見守りながら、やがていつしかその坊やが大きくなり、成長して子供用の椅子を必要としなくなり、物置に入れられます。ちいさないすは、自分を必要としている場所を求めてそこから逃げ出します。
 途中でおばあさんに拾われ、人形が座るようになり、そのおばあさんが病に倒れ、古道具屋に持ち込まれ、そしていすが旅をして過ごした時間のこれまでの月日の流れは、いつしか最初に出会った坊やが結婚をし、出産を控えている奥さんと一緒に古道具屋の店先で再開します。
そして...。
絵本ちいさいいすのはなしとキッズチェア(試作版)
 イスの輪廻を感じてしまいながらも、丈夫につくられた無垢の子ども用イスが次世代に受け継がれ、
いすを通して赤ちゃんがまた育まれていく様子を描いていているように思いました。

 帯より抜粋
ちいさい いすは、おとこのこと なかよしでした。
おやつをたべるときも いっしょ。えほんをみるときも いっしょ。
たのしいときは いっしょにわらい、しかられたときは なぐさめてあげて。

私の遠い幼児だったころの昔の記憶。
ちいさい腰掛がありました。そして足踏みオルガン用の付属イスがありました。
この二つが私にとって自由になる遊び相手のイスでした。

息子には父親が創ったイスがあります。
そしてイスなど家具を作る仕事をしている父親は、自分の子どもの為だけでなく、他のちいさい子ども達にも使って欲しいと思い、"キッズチェア"として商品化しました。
 
 あるお父さんとお母さんが、お子さんのためにとその椅子(キッズチェア)とその椅子にあった机もと望まれ世界でたった一つの"キッズデスク"(オーダー品)が合わせて誕生しようとしています。
キッズデスクの製作場面は←こちらでご紹介しています。)

2008年4月 8日

絵本紹介『ねずみのなるき』

今日ご紹介する絵本は『ねずみのなるき』(作:さとうわきこ 出版:フレーベル館 初版2001年4月)です。
 長野県岡谷と原村にある「小さな絵本美術館」を主宰されている方です。
ehon_mousetree.jpg
ねこがねずみを捕まえます。
そのねずみが「ねずみのなる木の種」を命と引き換えに猫に渡します。
早速、猫は、その種を蒔き、手塩にかけて育てます。
いつもイメージするのは、木にたわわに”ねずみ”が実っている姿。
やがて花が咲き、実をつけますが、暴風や野鳥達に狙われてどんどん果実がなくなり、とうとう1個だけになってしまいます。
実が成熟し、中にたくさん種のように”ねずみ”が詰まっていると想像しますが…。
出てきたのは巨大なネズミだったようです。

猫のため息一緒に口に出た独り言のような文章だけで、その他は一切説明がない絵本です。

ネズミがなる木なんてあるわけない、オチは別にあるような想像をして読み進めたら、意外な展開でした。


無垢材を使った手作りオーダー家具木工房”活木工舎”・通信販売しています

2008年3月27日

絵本紹介『ねっこぼっこ』

今日ご紹介するのは、春の訪れを表現した素敵な古いドイツの絵本です。
『ねっこぼっこ』(作・絵 ジュビュレ・フォン・オルファース 訳:生野幸吉 発行:福武書店 初版:1982年10月10日 1986年4月3刷)
ehon_nekkobkko.jpg
原題の直訳では「根の子ども」となるそうですが、訳者は東北地方の方言「ぼっこ」をあてたそうです。
作者は東プロイセンに1881年生まれ。20代に修道院に入り第一次世界大戦中の1916年1月に34歳で短い生涯を終えた女性です。
ドイツの子ども達に読み継がれている絵本のようです。

あらすじは、
地中の根が張り巡らされた中で暮らす、かわいい子ども達。
春の準備に、大忙し。女の子のねっこぼっこ達は、衣装を自分で作ります。
男の子のねっこぼっこ達はいろんな昆虫に、絵具で色をつけてあげます。
準備ができると地上へ出て、行進します。
春、夏と森、野原や小川、畑などで楽しく過ごす根っこぼっこ達。
やがて、秋の訪れを感じ、地中に戻っていきます。
地中には、迎え入れる大地のおかあさんに、ベッドへ向うよう促され冬眠に入る根っこぼっこ達。

絵がとっても魅力的です。
しかも、普遍的なテーマ。
この本が生まれた時代と変わらない季節の移り変わりが、現在もあることに感謝したくなりました。

この絵本は、1987年にイトーヨーカドーの子ども図書館の蔵書だったようです。
寄贈されて現在山梨県北杜市立すたま森の図書館の蔵書になっています。
(現在は、2005年平凡社より発行されています)