森の家具工房 in山梨で“ピアノ”タグの付いているブログ記事

2009年1月 7日

ピアノ楽器について考える(2)

 さて昨日投稿した記事の続きです。

 ホームページを見てもピアノメーカーの仕様表示を見ても、木部のことは触れていません。
外装の仕上げに樹種を感じる名称が掲載されているだけ。
それも化粧板だったりするので、実際に触れてみないと見えてこないことだらけ。

一消費者として把握できない業界の変遷について、貴重な話を三井さんから伺いました。
実際に中を開けて確かめないとわからない木部の話。
三井さんと"木を活かす職人"と三人でのよもやま話しは尽きません。

日本では昭和初期まではピアノは漆で塗装されていたそうです。
当然、水場のある高温多湿な場所で塗装作業をされていたのでしょうから、
湿度・温度に敏感な楽器であるピアノは苦難を強いられて作られていたことになります。
 でも何故か不思議と、この時代のピアノの無垢材部分は反らないそうです。  

  一方、古くから伝統あるピアノ生産地であるドイツ。
  ドイツ製の輸入ピアノは反りやすい傾向があったようです。
  その後は、ピアノメーカーも日本の高温多湿な気候風土に合わせて改良を重ねてきているので、
  今普及しているピアノは反ることは少ないそうです。
  
 ドイツの場合、マイスター制度があるので、ある工房で複数のメーカーのパーツ製造を担ったりと
うまく産業として成り立っているようです。
 という話題から、マイスター制度について私なりに調べてみると。
 ドイツの手工業産業の状況も変化しており、時代に対応すべく2004年1月には手工業法の法改正が実施されていました。
 ご存知でしたか?
恥ずかしながら、私はノーマークでした。
 大量の失業者を抱えるため、労働市場改革として個人企業など育成できるように
 開業にあたりマイスター資格の取得義務をはずすしたようです。
 その中にピアノ・チェンバロ製作も含まれています。
 
 マイスター制度による保護を受けてきた分、競争も高まり低価格化や技術低下なども出てくる可能性があるので、
 法改正から5年。どうなっているのでしょうか。。
 ご興味があるかたは、財団法人国際貿易投資研究所のサイト掲載レポートをご参照ください。

 三井さんからお聞きした話しはたくさんあるのですが、私の表現力が不足しているのでまたいつか機会があったらまとめてみたいと思います。
 (残念なことにメモを取らずに貴重な話を伺ったので、うら覚えで正確な表現をすることができないのは本音です。 )
 
 モノが語ることってありますよね。
 どうやって作られたか、どういう部材を用いられたか見えない。
でも見ようと思えば自分の目でちゃんと見える。
 ちゃんと見えても、自分で判断できるようになりたい。
歳を重ねても、こればっかりは言うは易し、行うは難し。

2009年1月 6日

ピアノ楽器について考える

 年末からブログに書きたかったことがあります。

 昨年12月に読んだ日経新聞記事で自動車の販売不振で、若者のクルマ離れが一因であること、そしてかつてのピアノ産業のように音楽教室などを裾野としたビジネスモデルがあったように、啓蒙的に何かクルマに興味を持ってもらえる取り組みが必要なことが提案してありました。

 でも、現在の国内のピアノ産業ってどうなっているのだろう?
 ピアノを購入することがないため、その業界の状況が見えない。
そんな思いを抱えている矢先、ピアノ調律師の三井さんが来房されました。


ピアノ 三井さんとはお会いするのは6回目。
いつもピアノ調律後、少しお茶の時間を過ごしていただくのですが、木工房ゆえに"木"に関する話題が多くなります。
 三井さんから伺った話から、今日と次回に2回に分けて、ピアノと木工が重なる部分の視点で出たお話しをご紹介します。

 現在はヤマハ製作所はヤマハ株式会社のピアノ製造は中国に、カワイ楽器製作所はインドネシアに生産拠点を移しているそうで、国内の関連するピアノ産業をとりまく部品メーカーや木工加工の職人さん達は姿を消してしまったようです。
 長年国内のピアノ製造の変遷で培われた技術も国内では維持できない状況。
 また構造材もこと木に関してですが、昭和50年代頃を境として徐々に無垢材から集成材や合板、MDFといった木質ボードにとって変わられているそうです。
 古いピアノの修理まで手がけている三井さん曰く、今のピアノの音はそれ以前のピアノの音と異なるそうです。だから古いピアノの修理で調師さんの範疇を越える部分は、今のピアノ製造の現場では直すことはできないとのことでした。
 さすが調律師の耳は、いろんな音をご存知です。
 明らかに資源的問題でピアノ用の木材の質が変化していること、それに伴い音も変化していること。そのことに衝撃を受け、古き良きものをより大事にしたいと痛感しました。
 
 その思いを拙いブログではありますが、読んでくださっている皆様にお伝えしたくて。  

 ご自宅や実家で眠っているピアノはありませんか?
 最新のピアノに買い替えたいと思っていらっしゃいませんか?

 無垢の木に共鳴する"音"と木質ボードに共鳴する"音"。
どちらがいいですか?
 耳で判断してください。
でもその前に、
ピアノは定期的に調律が必要な楽器なのですが、調律なさっていますか?
 たとえ弾かなくても放置していたら、温度や湿度の変化で弦が下がり狂った音になります。
ピアノ本来の音をたのしみたくても「久しぶりに弾いてみようか」と狂った音で演奏して、あなたの耳は嫌がりませんか?
 今弾く時間がなくても、あなただけでなく、次世代にあなたの知っている"ピアノの音"を伝えていきませんか?
 
どうして調律がそんなに必要なのか?
"ピアノ調律"で検索すると、社団法人日本ピアノ調律師協会HPピアノ調律ネット に掲載されていますのでよろしければお読みくださいね。(三井さんもこちらのピアノ調律師さんの検索サイトピアノ調律ネットに登録されているようです。)
是非特別な確かな耳と技術を持った調律師さんにご相談してみてください。

 私はピアノが下手ですが、音感だけはちゃんと持っていたいので、両親が30年前に購入以来、ずっと調律依頼を続けてくれたように、継続的に年に1回はメンテナンスをお願いしています。
 哀しいかな、経済的には電気ピアノ・電子ピアノの方がいいのかもしれませんが...。