2008年11月 2日

絵本紹介『いすがにげた』

『いすがにげた』(森山 京:作 スズキコージ:絵 ポプラ社:出版 2005年8月初版)

おそらくアクリル絵具ガッシュで描かれた賑やかな色彩の挿絵。
絵を見ているだけで、独特の世界へ。
活木工舎オリジナル
 ある椅子と長い時を過ごしてきたおばあさん。
椅子が彼女の生涯にとってどんな存在だったのかが描かれています。
 椅子に限らず、長く生活空間で使用していきた家具は、その使い手である持ち主と共に時を重ねていきます。
 きっとこれは家具に限らず、貴方の大事にして愛用してきたもの全てに共通する気持ちではないでしょうか?

 "あって当たり前に感じていた存在が、ある日姿を消していた"
きっと、一所懸命になって探すのでしょうね。
この絵本のおばあさんと同じように。

さてあらすじは:
鷲鼻(イラストによる)のおばあさんの古いイスがある日なくなってしまいました。
イスが逃げ出した姿を目撃したことをノラネコに教えられ、イスを探しに出かけます。

探し始めて、やっと木のしげみにいたイスを見つけます。
おばあさんはイスにとびかかりますが、その瞬間にイスが跳ね上がり動き出しました。
しがみつくおばあさん。
 しかし、途中でイスは小川を渡りきれずに、脚が川底の泥にはまって動けなくなりました。
川底から引き抜くおばあさんは、草の上にひっくり返ってしまいます。
 するとイスもおばあさんの傍に横たわります。
 
 お婆さんの回想が始まります。
 子供たちが幼少だった頃に夫が作ったイス。
 そのイスと永い年月共に過ごしたことを。そしていつも座っていたこと。
 回想後に、イスを自由に解放させることにし、別れを告げます。
 逃げ出すイス。
 気持ちよく見送るおばあさん。帰宅すると何とイスは元の場所に戻っていました。


コメント

この本読んだことがないのですが、オチが効いてますね。

挿絵のスズキコージ氏は以前、銀座でライブぺインティングをパフォーマンスしているところを偶然通りかかって、つかの間見入ったことがありました。
パッと見、大胆な印象の絵ですが、細かい部分にもチカラの抜かないこだわりアーティストという感じを受けた気がします。

こんな絵本の似合う椅子が、お宅のなかにあるのはうらやましい限りです。(家具屋さんなら、当然なのか・・・)


⇒ムーンママ様
 オチをばらしてしまった私…。いいのかなぁと思いながら…。
>大胆な印象の絵ですが、細かい部分にもチカラの抜かないこだわりアーティストという感じを受けた気がします
 そうですね。
色も多色でインパクト強いのですが、全体のトーンは落ち着いていて非常に人間味のある無国籍な人物イラストレーションを描かれている印象があります。
 筆致のあとや色も多彩に重ね塗りをしていので、味わい深いです。
>こんな絵本の似合う椅子
嬉しいです!
インスピレーションで傍にあったイスを選んだのです。
職人が若い頃、家具会社勤務の傍ら自分の時間に制作した私用オリジナル椅子で、我が家で一番
古い椅子なのですよ。
 

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